アスタロトがアスモデウスに話しかけた。

「その二足獣って、ダチョウか？」　

「うるせーこのチビ野郎が！　

どう見てもドラゴンだろうがブッ飛ばすぞテメェ！」

「……」

ベルフェゴールがアスモデウスに話しかけた。

「ア……ウ……」

「うるせーこのウンコ野郎が！　

早く魔叛＜デビリオン＞の研究を進めろ！」

「……」

アモンがアスモデウスに話しかけた。

「ホーホホー<なんで頭が３つあるんだ？>」

「うるせーこの梟野郎が！　

ホーホーホーホーなんなんだオマエ本当にうるせえ黙れ！」

「……」

リヴァイアサンがアスモデウスに話しかけた。

「ミィーーーーーーン……！」

「うるせーこの蛇野郎が！　鼓膜が破れたらどうすんだバカが！」

「……」

ベルゼバブがアスモデウスに話しかけた。

「ブルル……」

「うるせーこの蠅野郎が！　そもそも何言ってるかわからねーよあっち行け！」

「……」

もっとも悪魔らしい悪魔は、なにしろ口が悪い。

だが、彼自身は彼の両肩にいる牛と羊の頭がうるさくて困っているようだ。

いずれ出会うであろう資産家の娘・サラとの恋の物語が語られるころには、

彼の口の悪さもなくなる……と信じたい。